国土交通大臣が承認撤回処分の効力の停止を決定しました

 2018年10月30日、国土交通大臣は、10月16日付で沖縄防衛局がしていた埋立承認撤回処分の執行停止の申立てを認容し、同処分の効力の停止を決定しました。通知が正式に沖縄防衛局に到達する31日に停止の効力が発生します。

執行停止決定書はこちら


執行停止決定に対する玉城知事の談話はこちら


管理人コメント
 国交大臣は、沖縄防衛局は審査請求する資格があると判断しているが、その理由を埋立承認の撤回が「処分」であることに求めている。埋立承認が撤回されることによって沖縄防衛局が埋立をする法的地位・利益を失うのは、一般の事業者と変わりがない。しかし、問題の行政不服審査法72項は、「固有の資格において当該処分の相手方となっている」国の機関については審査請求の規定を適用しないと定めているのだから、「処分」であることのみを理由にして、この規定の適用を免れることはできない。埋立免許と埋立承認の仕組みの「違い」から「固有の資格」を読み取る県の意見を一顧だにしていない。沖縄防衛局は一般事業者であるとの結論には変わりはないとしても、3年前の決定の方が「違い」の有無について検討を加えていた。
 執行停止の基幹的な要件の「重大な損害を避けるために緊急の必要性がある」については、沖縄防衛局の主張を鵜のみにしている。しかし、主張する普天間飛行場の危険性の除去が遅れることによる損害のおそれは、付近住民に生ずる損害であるが、埋立事業者たる沖縄防衛局に生ずる損害ではないし、日米の信頼関係・同盟関係への悪影響による外交・防衛上の不利益は「公益」に属するものであって、埋立工事では一般私人でしかない沖縄防衛局に生ずる損害ではない。県の意見書もまたこれを指摘するのだが、決定書にはそれを検討した形跡すらもない。
 法的論理として破たんした執行停止決定といえよう。

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